花と緑と食のおいしい一日

2016.08

北海道 大沼

「大沼鶴雅オーベルジュ エプイ」

Task

総合プランニング/コンセプトワーク/建築基本設計/内装・意匠設計/空間アートデザイン/インテリアデザイン/ロゴデザイン/サインデザイン/レストラン器デザイン/室内着・制服デザイン/販売ツールデザイン/家具・備品コーディネート

花と緑と食のおいしい一日

北海道の道南にある函館本線大沼駅と駒ケ岳を真近に見る地に、「花と緑と食のおいしい1日」をコンセプトにオーベルジュエプイはつくられました。もともとは、北海道の資源開発の為に鉄道技師として尽力したジェセフ・ユーリ・クロフォードの名前がついたJR北海道の古きアメリカを想起させるホテルでした。既存施設のイメージを生かしながら、温泉大浴場、露天風呂付きのスパリビングルームを増設し、館内の充実を図りました。ラウンジには、前身の主人へのリスペクトとして、函館本線を走る列車のジオラマを作り、ラウンジクロフォードと名付けました。そして、庭には50マイルフードをテーマにしたレストランを新設しました。レストラン中央にある天井を突き上げる樹木のような暖炉はエプイのシンボルです。

エプイとは、アィヌ語で「木の花がいっぱい咲く森」(原説/菅原進著-アイヌ語地名考より)を意味しています。北国の花といえば、キタコブシの花。北海道松前地方ではシキザクラと呼ばれます。キタコブシ、「エプイ」は、この土地にあっては、桜のように、長い冬から芽生えの春が来たことを知らせる希望の象徴だったと思います。エプイのマークもキタコブシの花が咲き始める時の形をイメージしてデザインしました。

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D51 函館本線 七飯~大沼

1975年4月

ここは昔、絵葉書にもなった有名な場所。線路脇の小さな丘に登るとその通りに見えた。前方の大沼駅では早朝、五稜郭機関区から回送してきたC62が大沼発函館行き普通列車の先頭に立ち煙を登らせ出発を待っている。

(写真・文/遠藤純)

-エプイ バーラウンジクロフォード-蒸気機関車の風景より--

1975年12月以降、北海道の風景からSLが消えていきました。しかし、同じ地から見る駒ケ岳は変わらず高くそびえています。駒ケ岳の麓で新たな風景が生まれていきます。

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緑の樹々と青い空に溶け込むように造られたレストランエプイ。おいしい庭をテーマにハーブを植えたり、外でも食事が楽しめるようにしています。

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レストランエプイのシンボルとなる暖炉。

エプイの樹が空へ向かって高く伸びていく様を表し、鍛鉄の枝の間から吊り下げられたペンダントはエプイの実をイメージしています。

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函館、大沼は農業と共に津軽海峡、内浦湾と海の恵みも豊富なところです。

内浦湾に面した森町と言えば、イカめし。

ランチにはエプイ流イカめしを出しています。

エプイという名前もアイヌの言葉。

かつて、縄文時代には、北東北地域も暖かな気候だと言われていました。

その時代も木の実や魚介でスープを作り、豊かな食文化があったそうです。

火を囲みおいしい食を楽しんだ今と変わらない歴史があることを想います。

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渡り廊下を通ってレストランから宿泊棟へ。
アーリーアメリカスタイルだったホテルの良さを残し、よりクラッシックさを加えてリニューアル。

エプイカラーであるキタコブシの花芯の紅色と三つのテーマ、花・食・鉄道を軸にデザインをしていきました。ウエルカムラウンジは、使えなくなった家具の引き出しや扉をリサイクルして作られています。バーランジには駒ケ岳を囲む函館本線のジオラマが置かれ、かつてのD51や急行ニセコを走らせることが出来ます。

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