2012.05
大分 別府
「竹と椿のお宿 花べっぷ」
Task
総合プランニング/コンセプトワーク/ロゴデザイン/建築・意匠設計 /サインデザイン/ WEB
レストラン器デザイン/室内着・制服デザイン/販売ツールデザイン /家具・備品コーディネート
ふんわりやさしい
町のあちらこちらに温泉の湯気が立ち上る温泉宿のメッカ、別府。別府駅にほど近いJR九州の宿の全面改装。良い旅館の優位点は景色です。しかし、町中にあるがゆえに温泉宿としての景色や風情を望むことは出来ませんでした。最初の企画書に「無い無い尽くしの宿」と書いて皆さんを悲しませました。そこで、考えたのは、福岡、大分という近隣の女性客へターゲットを絞り「女性のためのプチ贅沢の宿」として、室内の快適さを仔細に求めることに注力しました。別府は竹の国。そして、椿の名前に「べっぷ」という薄いピンク色をした可愛らしい椿があります。その椿にちなんで「竹と椿の宿 花べっぷ」と名付け、部屋名にも椿の名前がつけました。空間には、大分の竹細工組合の協力を得てラウンジの大きな竹のパーテーションが出来ました。床も竹フローリングを敷き、素足の心地よさを大切にしました。触れるもの全てを優しく快適にすることで、「ふんわりやさしい」というコンセプト通りの宿になりました。この宿にとってリピートをしていただくことがとても大切なミッションとなっています。空間、食、もてなしが三位一体となって、「おかえりなさい」と心を込めてご挨拶をする宿は、温かく和みにあふれたもう一つの我が家となりました。
別府は湯の町、竹の町。花べっぷは、沢山の竹工芸にあふれています。ラウンジのやたら編みパーティションは、現場で十人の職人さんの手で編み上げられました。
竹と椿のお宿。
館内には、竹細工と椿のデザインが随所にあります。
朝ごはんは、お一人お一人に地元のお米を炊きたてで出します。人気になったのは地元の卵、「うちのたまご」の卵かけご飯です。卵かけご飯の醤油も開発しました。
晩ご飯は、地元名物の冠地鶏とまるごと使った冠地鶏鍋。郷土料理、鯖のりゅうきゅうなど懐かしくやさしい料理を出しています。